ナオルヨブログ2019

心穏やかに、心地よく、愛と自由と平和に暮らしましょう〜新しい5次元地球で永久に共に!!

母親に信じてもらった人間は天国へ行く

蟹工船』という小説を書いた小林多喜二という作家がいます。
この人は戦前、思想・社会運動を取り締まる特高警察に検挙されました。
取り調べといっても実際には、竹刀やムチで打たれたり、
投げられたりする毎日で、
目は腫れ、口は裂け、髪の毛もずぼっと抜けるなどのひどい拷問でした。

多喜二はやがて東京・多摩の刑務所に入れられますが、
北海道の小樽にいる多喜二のお母さんに、
5分間だけ面会が許されることになりました。

字の読めないお母さんは、刑務所からの手紙を読んでくれた人に、
「5分もいらない。1秒でも2秒でもいい。
生きているうちに多喜二に会いたい」
と訴えました。
貧乏のどん底だったので、
近所の人になんとか往復の汽車賃だけを借りて雪が舞う小樽を発ち、
汽車を乗り継いで指定時間の30分前に刑務所に着きました。



看守がその姿を見て、あまりにも寒そうなので火鉢を持ってきました。
するとお母さんは、
「多喜二も火にあたっていないんだから、私もいいです」
と、火鉢をよたよたと抱えて面会室の端に置きました。
今度は別の看守が朝に食い残したうどんを温め直して差し出しました。
お母さんは車中、ほとんど食べていません。それでも、
「多喜二だって食べてないからいいです」
と、これも火鉢のそばに置きました。

時間ぴったりに看守に連れられて面会室に現れた多喜二は、
お母さんを一目見るなりコンクリートの床に頭をつけ、
「お母さん、ごめんなさい!」
と言ったきり、顔が上げられません。
両目から滝のような涙を流してひれ伏してしまいました。

わずか5分の面会時間です。
言葉に詰まったお母さんを見かねた看守が、
「お母さん、しっかりしてください。
 あと2分ですよ、何か言ってやってください」
と言いました。
ハッと我に返ったお母さんは、
多喜二に向かって、この言葉だけを残り2分間繰り返したそうです。

「多喜二よ、おまえの書いたものは一つも間違っておらんぞ。
 お母ちゃんはね、おまえを信じとるぞよ」


その言葉だけを残し、お母さんは再び小樽に帰りました。

やがて出獄した多喜二は、今度は築地警察署の特高に逮捕され、
拷問によりその日のうちに絶命しました。
太いステッキで全身を殴打され、
体に何か所も釘か何かを打ち込まれ、亡くなったのです。

もはや最期の時、特高がまだステッキを振り上げようとすると、
多喜二が右手を挙げて、しきりと何かを言っているようです。
「言いたいことがあるなら言え」
特高が水をコップ一杯与えました。
すると、多喜二は肺腑から絞り出すような声で言いました。

「あなた方は寄ってたかって私を地獄へ落とそうとしますが、
 私は地獄には落ちません。
 なぜなら、どんな大罪を犯しても、
 母親に信じてもらった人間は必ず天国に行く
 という昔からの言い伝えがあるからです。
 母は私の小説は間違っていないと信じてくれました。
 母は私の太陽です。
 母が私を信じてくれたから、必ず私は天国に行きます」

 そう言って、彼はにっこり笑ってこの世を去ったのでした。

お母さんは、字はひらがなぐらいしか読めません。
したがって、多喜二の小説は一行も読んではいないのです。
しかし、自分の産んだ子は間違ったことはしていない。
かあさんはおまえを信じている、と言ってくれました。
そういうお母さんに対し、多喜二は「母はオレの太陽だ」と言ったのです。

ここにおられる女生徒の皆さん、
あなた方はあと十年もすれば愛する人を見つけて結婚なさると思います。
どうかそのとき、その愛した男性に対して
「お父さま」とおっしゃってください。
どうか「尊い人」と言ってあげてください。

男性も女性から尊い人と言われれば、本当に命をかけて、
あなた方の命の安全と幸福のために汗を流して頑張ります。
人間のこの父母である夫婦が尊敬しあい、
いたわりあわなければ、子供が健全に育つはずがありません。

だから、皆さんの世代になったら、
ぜひ日本人の母になってください。
カミ様になってください。
男の生徒さんは、たくましく、
優しい日本人の男になってください。

そして、だれも真似できない太陽を胸に輝かせた
自分というものをしっかり確立してください。
それが、皆さんの永遠の心棒です。

「日本の心」(作家・境野勝悟)より

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境野先生の「日本のこころの教育~熱弁二時間。全校高校生七百人が声ひとつ立てず聞き入った!」というタイトルの本の中で紹介された心温まる逸話。(南会津町御蔵入交流館の図書館にもあります)「小さな人生論」と一緒に入手した一冊です。

その文中にある一章にあった「母親に信じてもらった人間は天国へ行く」という一文。
母はまだ岩手の山奥で存命ですが、今は1年に一度くらいしか逢えない母の言葉や生き様を思い出すと、涙がなんだか止まらなくて、背筋に暖かでしっかりとした心棒を入れてもらったような時間を読書を通して過ごしました。


一番の頼りにしている両親、母親、家族に信じてもらえない体調不良、症状に苦しむ人達がたくさんいます。
決して嘘をついて、学校をさぼったり、仕事を休んだり、家事の手を抜いたりしたい訳ではないんです。うつ病とか過敏症、アレルギーとかは、目に見えて身体が痛んだり、レントゲンに影が映ったり、血液検査の数値にあらわれたりしないからといって、嘘じゃない苦しい、辛いものだと信じてあげてほしいんですね。

 天国に行けなくてもいいんです。ただ、信じて、一緒に苦しみ、辛さを分かち合って理解してくれて、手を差し伸べてくれるだけでいいんです。
優しい言葉ひとつでもいいんです。
本当に死にたくなるほど辛くなる時もあるんです。

だから、化学物質とか電磁波とか、クサイとかイタイとかしかめっつらしていても、自分が感じないとしても、信じて、協力してあげてくださいね。お願いします。(いけや